アートの時間「マティス 自由なフォルム」
みなさん、こんにちは!
今回のブログは、学芸員資格を持っている私がおすすめの美術展についてご紹介するコーナーです。
第5回目は会期がすでに終わってしまっているのですが、東京の中心地ともいえる六本木の国立新美術館館で2024年2月14日(水)~2024年5月27日まで開催されていました『マティス 自由なフォルム』をご紹介したいと思います。
20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869-1954)。
日本で開催された近年のマティス展は、去年上野にある東京都美術館にて2023年4月27日(木)~8月20日(日)までの開催でした。
かなり大きな反響があったみたいです!
そして1年後の今年にまた開催されるという、これだけ近い時期に大規模なマティス展が同じ都市で続けて開かれていることは珍しいので、日本でのマティスの人気を感じることができますね。
では、アンリ・マティス(1869-1954)とは一体どんな画家なのか。
マティスは別名「色彩の魔術師」と呼ばれ、その芸術は豊かな色彩世界にあります。
現実に忠実な色彩から解放された、絵画における大胆な色彩表現が特徴です。
第1回目でキュビスムについてご紹介しましたが、ピカソがキュビスムによって美術史のなかで形態を現実から解放する革命を起こしたとすれば、マティスは色彩を現実から解放した革命家になります。
今回が昨年と違うのは、マティスが晩年、精力的に取り組んだ「切り絵」に焦点をあてた展覧会になっているということです。
実はマティスは晩年になって大病を患ってしまったため、絵筆を持つのが難しくなってしまいました。そして新たな表現方法として「切り絵紙」を選んだのです。
彼が最後の芸術人生の探求としてたどり着いた「切り絵」表現。
マティスの軌跡を感じられました。
もう展示会は終わってしまっていますが、本や図録などでぜひご覧くださいませ。